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40歳以上の精子は・・・

40歳以上の精子は・・・

健康な子どもを授かるという点に関して、男性にも女性と同じように適齢期があることが判明しました。

アメリカのマウントサイナイ医科大学の研究グループが40歳以上の男性は、30代以下の男性と比較して、自閉症の子が生まれる確率が6倍高いという研究結果を報告しました。
統合失調症の子が生まれる確率についても、男性の年齢が40歳に達すると倍になり、50歳以上では3倍になるとの研究結果も発表されています。
また、そううつ病やてんかん、前立腺がん、乳がんを子どもが発生する確率も、男性が40歳に近くづくにつれ高くなります。
小人症とマルファン症候群(結合組織の疾患)も父親の年齢に関連しています。
権威ある医学雑誌「ネイチャー・ジェネティクス」に1996年発表された論文によると、アペール症候群(頭や顔、手足の奇形を特徴とする先天性疾患)は、父親が高齢であると遺伝子の突然変異の確率が高くなることで引き起こされことがわかっています。
その他にも、オーストラリアのクイーンズランド大学が2009年に実施した調査では、父親が高齢であることと子どもの知能テストのスコアが低いことの間には相関性があることが判明しています。
高齢の母親の子どもは、むしろテストのスコアが高かったそうです。

女性は100万~200万個の卵子を持って生まれてきますが、そのうち75%は思春期までに消滅します。
卵子は日々消滅しますが、生き残っているものには出生時に創られた本来の遺伝的要素が含まれています。
それに比べ、精子はというと・・・
射精のたびに数百万個の新しい精子細胞が再形成されますが、細胞が再形成されるたびに、遺伝コードにエラーが生じる確率が高くなるという恐ろしいことが起こります。
男性が年を取るにつれ、受精可能な精子はなくならないとしても、そのDNAの多くに異常が起こる危険性があります。

コピー機で何回もコピーするうちに印刷物の質が劣ってくるのと同じなんですね。

父親の年齢にかかわるデータがあまりなかったために、父親の年齢と出生異常との相関が長い間見過ごされてきたんじゃないかと思います。


2011-11-16 07:37:18   コメント(0)

 
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